骨をつくる治療

インプラントは、骨の中に人工歯根(インプラント)を埋め込む治療です。
したがって、骨が少ないところ(薄い骨、細い骨、高さの足りない骨)は、そのままではインプラントができないので、骨をつくってやる必要があります。

上顎下顎共通

●骨の陥凹

歯周病や歯根の大きな感染性炎症などにより抜歯にいたった場合、著しく骨の吸収が進んでしまっていることがあります。そうなると、その部分が陥凹してしまい、インプラントが完全に埋め込みができず、うまくいかないことがあります。そこで、そうした部分的な陥凹部に骨をつくる処置を併用します。
骨補填材、それに採血した血液から調整した高濃度凝縮血小板を加えて、陥凹部を埋めて、骨誘導膜(メンブレン)でおおうことで、骨を誘導し造骨します(GBR法)。

●骨幅の狭い状態

インプラントは、ある決まった直径の円柱状となっているので、その分の骨の幅が必要です。インプラントを埋めたら、そのまわりには最低1mmの骨があることが理想的です。ジマー・HAインプラントでは、最小直径3.25mmというスリムなインプラントがあるのですが、それを使うにも骨が細すぎることがあります。ひどいときは、骨幅が1~2mmしかないということもあります。そうした場合、上記のGBR法で対応できることもあれば、ご自身の骨を移植(自家骨移植)することが望ましい場合もあります。

上顎

上顎にだけ必要な骨をつくる治療に、上顎洞挙上術(サイナスリフト)があります。それは、上の奥歯部分の身体のしくみによるのです。奥歯の上部で目の下のあたりには、上顎洞(サイナス)という空洞があり、骨が薄い場合は、1~2mmで上顎洞に達してしまう方もいます。適切なインプラントは、最低8mmくらいの高さが必要なのですが、あまり薄くては、インプラントを埋め込もうとしても、空洞の中に入ってしまい、当然骨と結合しないのでうまくいきません。そこで、上顎洞挙上(サイナスリフト)という特殊技術を用いて、上顎洞の内表面にある粘膜を上に持ち上げて、骨をつくる治療を行います。その人の状況により、インプラント埋入と同時にできることもあれば、いったんこうして骨をつくる処置を単独で行う場合とがあります。また、それは、難しい治療方法であり、しかも、当クリニックで使用しているジマー・HAインプラントでこそうまくいく、と言っても良いやり方であり、インプラントの品質が問われるやり方なのです。

下顎

下顎で特徴的なのは、下顎骨の中を走行する下歯槽管までの骨の高さが不足している場合です。
それは、下の奥歯の部分の身体のしくみによるのです。下歯槽管は、下顎の裏側の最後方から骨の中に入り、細いトンネルのようになって、犬歯の後ろあたりの出口(オトガイ孔)から抜けていきます。
この下歯槽管には、下歯槽神経という知覚神経や血管が入っており、それを損傷すると、出血や神経麻痺が起こります。上下の位置的には、骨の3分の2くらい下部を通っているのですが、歯周病の進行や入れ歯を入れていると骨が吸収されて、下歯槽管までの高さが短くなっていくのです。インプラントを安全に、しかも長期的に良好に保つには、下歯槽管までの骨の高さが10mm(2mmの安全域をとって)は欲しいところです。その高さが短いケースでは、造骨処置が必要になります。上記の上下顎共通のGBR法で対応できることもあれば、ご自身の骨を移植(自家骨移植)することが望ましい場合もあります。

GBR法 骨移植