抜歯にしない根っこの治療

■秋田さきがけコミュニティーマガジン「Kyo郷」掲載/2010年 VOL.85

一般的に根っこの治療、根管治療を歯内療法といいます。
私は、15年前の1995年に日本歯内療法学会専門医になりました。
そして根っこの治療に専門性を持って、深く関わって来た結果わかったことがあります。

■根っこの治療とは?
根っこの中の歯髄(しずい)神経や軟組織が炎症を起こしたり、感染したりすると歯内療法が必要になります。
そのまま放置すると、痛んだり腫れたりします。


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そこで、とても小さな器具を使い、根管から神経や汚物をきれいに取り除き、消毒し、根管充填(じゅうてん)をします。
簡単に書きましたが、歯内療法は、実に高度な技術の必要な難しい治療なのです。


■抜歯となってしまった場合
米国での研究例をご紹介します。
X線写真では、根っこの治療が上手に終了しているように見えるにもかかわらず、根っこの先に大きな膿の袋ができてしまった失敗症例です。
やむなく抜歯となり、その歯を調べてみました。すると、驚くべき実態がわかったのです!
根っこの先を輪切りにして、根管の断面を顕微鏡で見たところ、根管の中は神経の取り残しや汚物が壁面にべっとり残ったままなのでした。
研究によると、全体82%の根管がこんな悲惨な状況でした。
これでは治るはずがありません。


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■本当に望ましい根管治療とは?
私は、そうした従来の根っこの治療方法の問題点に気づき、根管から神経や汚物を徹底的にきれいに取り除くやり方を米国の歯内療法専門の教授から学び、実践してきました。
下記の写真がその方法で行った治療です。(抜去歯を使用)


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特殊な形のニッケルチタン製の根管治療器具を使用しました。どうでしょうか?
前の抜歯になった写真と比べて、根っこの中が輝く様に綺麗になっているのがわかります。


■精密・良好な治療に顕微鏡
歯を救い守る根っこの治療を精密に行うために、もうひとつ心強い最新のテクノロジーが顕微鏡(マイクロスコープ)です。
顕微鏡の使用により、根っこの治療成果が飛躍的に良好となりました。
さらに、従来では抜歯になってしまうような歯も救うことができるようになったのです。


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最後に…
根っこの治療は、複雑で難しいものです。さまざまな要因により、症状が発生します。
もし、根っことその周辺に異常を感じたなら、まずはかかりつけの歯科医師にご相談することをおすすめします。



根管治療についてもっと詳しく知りたい方へ
「大切な歯を失わないために、ぜひ知ってほしいことがあります。」
ご自分の歯を長くもたせて、十分な機能と美しさを保ちたいというのは、万人の願いです。
歯を失う大きな原因は、根っこの中(歯内)が細菌感染により悪化し、その結果、抜歯になってしまうこと。
痛みや腫れは抜歯によって一時的に解決しますが、失った歯は取り戻せません。
そんなとき、より良い根っこの治療をすることで、歯を抜かずに救い、守ることができます。根っこの治療の全貌を解説しましたので、皆様のご健康のために参考にしてください。
ペインフリー根管治療 by N.Sato